小松芳アラビア舞踊団

2005カイロフェスティバル

2005年 カイロ オリエンタルダンスフェスティバルに今年も行って来ました。うちのアシスタント達もほとんど皆一緒。本当にうちは皆で束になって行く感じなので、いつもの顔ぶれで楽しく過ごしてまいりました。

6月22日(水)

 昨夜は、徹夜でお仕事。なんてったって7月6日まで留守だもんネ。仕上げなきゃいけない仕事がいっぱい。朝9時にやっと荷作り開始。し、しかし、な、な、なんとスーツケースが壊れてる事を発見!!
 ぎゃ〜〜っと叫びながら、大雨土砂降りの中ダイエーへ、半狂乱でスーツケース購入。パニクって詰め替え。11時半、家を出て12時のYCAT発成田行きのバスに乗る。
 間に合ったの奇跡〜!! 1時半、成田第二ターミナル着。うちのアシスタント高橋、他諸々発見。今回の旅行はベリーダンサーの女の子達がたくさんエジプト航空を利用したのでゴマさんの計らいで、ビジネスクラスにUp Garde。ラッキー!!
 MS965(3:30)離陸。カイロまで直行です。ビジネスクラスは4人だけ。お昼ごはんはビーフカツ丼。イスラムだからビーフカツ? だったら最初からカツ丼にしなきゃ良いのに。と思いながら食べる。カツ硬〜い。でも前菜おいしい。イカの明太子和え、超小型伊達巻、昆布巻き等酒の肴にぴったり。でも残念ながらエジプト航空はビジネスクラスでも酒無し!! 免税店で買ったバランタイン17年を持ち込みしたので氷水もらってウイスキーの水割り作って飲む。おいしい〜。食後爆睡。ビジネスクラスの椅子はフルリクライニング出来るので7時間位しっかり寝た。ビジネスばんざ〜い!! 起きたら二度目のお食事。「ムツのカニあんかけ」随分と、こった料理ジャン。前菜を肴に薄い水割り飲む。
 食後4時間でカイロ着。怪しい部屋で4時間待機後、イスタンブールへ。この間イスタンブールまで直行のはずの私のカバンを自力で探し出して、イスタンブール行きの飛行機に乗せる事を要求されて、なぜか「おまえの手伝いをしてやった」とチップまでせびられました。
 今日は朝からお食事軽め。夕食食べてません。お部屋のポットには生姜葛湯とお茶(ほうじ茶、はと麦、えんめい等のブレンド茶)種子島直送のミネラルいっぱい黒砂糖を葛湯にとかしていただきます。体が温まり代謝が良くなるのでダイエット中もたっぷり飲んでOK。その後温泉へ。小さいけれどサウナや露天風呂も完備。一時間半ゆっくりつかってテレビ見ながら3時就寝。

6月23日(木)

朝6時、イスタンブール着。スルタンアフメット地区のシデホテルへ。ほとんど1日がかりの旅でした。チェックイン後お部屋で爆睡。1時、アシスタントの大島ちゃんからのTelで起きる。超空腹。ホテルの近所のオープンカフェで大島ちゃんと一緒にサンドイッチ食べる。2時、うちの連中皆でMadam Bellaのお店へ。スルタンアフメットからバスでタキシムへ。そこからメトロで2駅目のシシリへ。日本からも韓国からもお客さんたーくさん。私一人残って衣装20着、スカーフ50枚お買い上げ。
 7時半、また4人で落ち会い、大島ちゃんのお友達のトルコ人の方達と一緒にお食事。スルタンアフメットのおしゃれなお店でトルコ料理。ムール貝の中にピラフを詰めた前菜おいしい。お代わりして沢山食べる。お料理は色々頼んで皆でシェア。サラダ、ワインも美味しい。さすがに疲れて早めにベッドへ。

6月24日(金)

10時、テラスで小山、酒井、大島と4人と朝ごはん。ゆで卵、チーズ、ジャム、パン、キュウリ、トマト、オリーブ、紅茶。おしゃべりしながら打ち合わせ。2時に皆でお散歩。街の食堂という感じのレストランで、牛の胃袋スープとキョフテ、チキンカバブ。スープちょいくさいけど美味しい。元気が出そう。4時、軍事博物館で軍楽隊の演奏見学。シアターの壁が開いて庭園から楽隊登場。とても素敵。衣装豪華。でも短かったです。
 その後、タキシムのSimのお店でお買い物。デザイン面白いけど重い。サイズでかい。だれも英語話せない。ちょっと困った。明日英語話せる子が来るって言っているみたいなのでまた明日来ます。その後Bellaへ。衣装DHLで日本へ送る。
 8時、ナイトクラブ「キャラバンサライ」へ。世界中の観光客沢山。日本人客もいっぱい。民族舞踊1曲後、最初のベリーダンサー登場。単にお客と写真撮る為の子っていう感じ。CDの音に太鼓1名。2人目もどうでもいい感じのダンサー。また民族舞踊。ここでなぜか舞台に引っ張り上げられる。ちょっぴり本気出して踊ったら皆に拍手喝采されちゃった。3人目はトルコNo.1と言われる「アセナ」登場。でもぜーんぜん良くない。美人じゃないのにほとんどスッピンにしか見えないメイク。衣装もダサ〜。愛嬌無し。動き硬い。ライブバンド無しのCD演奏のみ。「なんじゃこりゃ〜」って言う感じ。トルコのベリーダンサーって今まで5,6人見たけどぜんぜん面白くない。ナイトクラブの定食風お食事(チョイスのお肉料理又はお魚、パン、サラダ、デザート、ワインハーフボトル)も美味しくないし「もうトルコのダンサー見なくていいっス!」と思ってしまいました。ダンサーのセクシャルな表現がアメリカ的って言うか、攻撃的って言うか、ぜ〜んぜんオリエンタルじゃない! 私がエジプト留学中に、Mahmoud Reda教えてくれたのはOriental sensualについて。欧米風の “Look at me!” “Kiss me!”  みたいな攻撃的な表現じゃなくて、甘えたり「いやいや」をしてつれない素振りをしたり、押したり引いたりしながら蜜のように男をとろけさす手練手管「カリーマ ダラア ヤ ダラア」と教わりました。欧米風の攻撃的な表現を Mahmoudは「さかりのついたメスライオンの様なしぐさ(アラビヤ語でラボア)はいけない」と言っていました。その反対は「ダラア」オリエンタルダンサーは蜜のようにとろける女じゃなくちゃ。トルコってShow の前にダンサーの名前のコールも無いでしょう。“Next Dancer” しか言わない。“Dina”を見に行くとか “Lucy”を見に行くとかダンサーが本当のスターであるエジプトでは名前のコールされずにステージに上がるなんて、絶対にありえない事です。(私が踊っていたNYでも必ず “Lovely Karima”とかって、バンドリーダーが客席に紹介してくれたものです。)
 音楽もCDだけ。ミュージシャンいてもたった3,4人。トルコのベリーダンスしょぼ過ぎ! と言うわけでトルコのベリーダンスまったくお勧めでありません。

6月25日(土)

9時、小山さん、酒井ちゃんと朝食。11時Check out。私は一人でSimのお店へ。1時、タキシムのロカンタでお食事(レンズ豆スープ、ピラウ、チキンと野菜の煮込み、トマトサラダ、ドルマ)食べきれないけどおいしい〜。今日はSimのお店英語話せる女の子いた。衣装10着お買い上げ。日本に送る手続きも完了。ここで店のオーナー「さあ、食べろ」とサンドイッチとアイラン(塩味ヨーグルトドリンク)出してくれる。うれしいけど苦しい〜。でも、気合入れて食べる。トルコですでに160万円使ってしまった! ぎゃ〜! ホテルへダッシュでもどり4時半、空港へ。MS738(6:45)でカイロへ。空港でジントニック飲んで免税品店ぶらぶら見る。まだお腹いっぱい。機内食パス! 日本ーカイロのビジネスクラスでかき集めた週刊誌読みまくる。「女性自身」「週刊文春」とか。花田家の騒動をじっくり読むうちにカイロ到着。すぐガイドが出迎え、市内のRamses Hilton Hotelへ。着後、爆睡。

6月26日(日)

朝は超ゴージャスなオープンブッフェ。たくさん食べてはいけない!と思いながら色々とたくさん食べる。食後ナイル川をお散歩しながらアゴウザの西川さんの事務所へ。My携帯受け取る。昨年の支払い終了後、社長の西川英子さんと「蟹沢弁当」食べながら1時間ほどおしゃべり。蟹沢さんは私が留学時代からカイロにいる日本人コックさん。元々船の料理人だった人みたい。今はエジプト人の奥さんとザマレークで日本食のお惣菜屋さんやってます。7月26日通りをアゴウザ方向に向かって右側を注意しながら歩いていると「お惣菜」と書いた日本語ののぼりが見えますヨ。そこが蟹沢さんのお店です。
 その後ム〜(Mahmoud Reda)の事務所へ。ム〜またまた忙しい。今年もなかなか2人っきりになれそうにないよネ〜。市内で色々お買い物。日本から持ってきたそうめん用の現地ねぎ(緑色の先の部分が日本のねぎの様に煙突状に丸くなく、ニラみたいに葉っぱ状になってる)とステラビールも買う。夕食はルームサービスのシーフードサラダ、レンズ豆スープ、買ってきたビール。部屋でTV見ながらこれ書いてま〜す。テレビ大〜好き。忘れていたアラビヤ語思い出します。今夜はサマーセムと会う約束していたけれど、お互い疲れてるみたいなので今日は長電話で済ます。たくさんお話出来て満足、満足。ホテルの1階のバーでローカルワイン一杯飲んで寝ま〜す。

6月27日(月)

 豪華朝食後Check out。12時ゴマさん達皆とバスでMena Houseへ。到着後、登録ルームのアブ・ナワース。皆に誰が良いのか聞かれるけど、エジプト人以外の先生が多すぎてさ〜っぱりわかりません。ラィヤはエジプト人皆と大けんか状態(ヨースリー、アイーダヌール、フレッズ、ルブナ等みーんなとけんか。マフムードとファリーダは金持ちけんかせず)アブ・ナワースで2,3時間ぶらぶらしている間に色々な人と再会。やっぱり一年ぶりに知ってる人と会えるのは嬉しいよネ。部屋に戻って荷物の整理。ねぎ刻んで日本から持ってきたそうめん食べる。7時、ホテルの美容室で髪の毛まとめてもらう。美容師のゲイ風おっちゃん、簡単なシニヨンで良いヨと言っているのに、またまた凝ったスパニッシュ風シニヨン。チップ込みで4000円位。ちょい高。
 8時、Gala Showスタート。タブラのShowの後、アミーラのファッションShow。可愛い衣装まあまあ有りますネ。その後Belly Dance Show。1人目はソラィヤ。いつもどおり元気。踊りも上手い。ブラジリアンサンバを取り入れたHip workすご〜い。でもなんか子供っぽい体系、雰囲気。好みじゃないのよネ〜。2人目はランダ。パワフルなダイマミックな動き。でも大味。心に残らない。3人目はディーナ。いつもどおり輝いている。体も凄い。でもとにかくいつも同じ。14年間、選曲も構成もまったく同じ。着替えて走る、着替えて走るの繰り返し。衣装変わるだけ。
 昔見たフィフィーやナグワのShowが懐かしいです。タブロー(プログラム)がしょっちゅう変わって、楽しかった。特にナグワのShowはレダ舞踊団の男女をバックに使った本物のエンターテインメメント。ナグワ自身歌えるし、芝居も司会もコントまでこなす本当の芸人。フィフィーは小人のバックダンサーを使ったり時々ちょっと猟奇的なShowをやってました。(舞台に上がる階段わざと外して、小人のダンサーを舞台の下からを強引によじ登らせるとか)ルーシーも歌えるので、ミニミュージカル風なShowをやっていました。その他毎晩、フォークロアたっぷりの歌手のサミールサブリShow、名前は忘れたけれどカイロバレエ団の男性ダンサー4,5人にリフトされて歌うデブの女性シンガー等、色々な芸人達が本当にバラエティー豊かなShowをやっていたものでした。(ディーナは最初はサミールサブリのバックでフォークロアを踊っていました。フォークロアはレダ舞踊団に入団して学んでいます。ランダもアイーダも皆Mahmoud Reda の弟子です。もちろんラィヤも弟子で1970年の大阪万博にム〜と一緒に来日してます。)
 今ベリーダンス始める子ってホント気の毒。昔はあんなに豪華なShowが毎晩見れたのに今は何も無い。芸人が受け取るギャラ少なすぎるので、単に踊るしかなくなっちゃたのです。昔はショービジネスにもっと大金が動いてたから何でも出来たのです。今から20年以上前は1ポンド250円でした。(今は20円弱)その時ナイトクラブで10ポンド札(当時1枚2500円)を高さ20cmほど積み重ねて舞台に上がって行き、わしづかみにしてダンサーの頭上に振りまいている湾岸人を何度も見ました。オイルマネーは凄かったのです。日本だって私が20代の頃はバブルで相当華やかでしたヨ。赤坂の「みかど」や「クリスタルルーム」では毎晩レビューをやっていたし、大箱と言われるグランドキャバレーには回転舞台の上に生バンド。美しいヌードショーの「日劇ミュージックホール」。新橋や銀座にもステージ付のクラブがあったし(今は3つ位に分割されてカラオケバーになっています。)バブル当時は営業担当者の接待費はほとんど青天井だったので、甘えた声で「かおる、ミカド行きた〜い」と言えば誰でも連れて行ってくれましたヨ。「ミカドに着て行く”おべべ“も買って〜」とかって。当時はめっしー君、あっしー君、貢ぐ君の真っ盛り。今の若い子って本当に華やかなエンターテインメントの世界を知らないでしょう。ホントかわいそう!
 Gala Showのブッフェはたっぷりあってたくさん食べました。会場の温度は去年北極並みだったのに今年はむちゃ高め。暑かったです。

6月28日(火)

 プールサイドでブッフェの朝食後。色々なクラス見学。日本に連れてこれそうな良い先生いないかな。
 その後モーベンピックホテルへ。もう一方のフェスティバルの状況視察。実はこれはラィヤ派と反ラィヤ派に分かれた権力闘争なのです。ラィヤだけが巨大になる事が許せない人達があえて同じ日に隣のホテルでフェスティバルを開き、自分達にも同じ事が出来るという事を示したかったらしいのです。Mahmoud Redaは“Karima war war war”と言って面白がっていました。私は相手側のやり方は良いと思わないけど、ラィヤはちょっとやり過ぎだよネ。全部を自分の手でコントロールしないと気が済まないみたい。ラィヤ、コントロールフリーク! 周りで我慢してた人達が終に切れたって言う感じ。ヨースリーとの事とかも色々あるし。裏話知ってるけどここでは書かない。反ラィヤ勢力は「ナイルグループ」と言います。
 Mena に戻って6時半から日没までの30分、プールで泳ぐ。この時間じゃないと日差し強すぎて泳げない。9時にモーベンピックホテルのナイルグループのOpening Galaへ。うちの高橋とか7,8人一緒。すでShowは始まっていました。私が会場に入って行くと反乱軍一同“Karima you are most welcome“と大歓迎してくれました。ショボイ外人ダンサーの後、ゲイっぽい男性ダンサー「ティト」。彼のアサヤは曲芸並み。踊りも上手〜い。でも踊りが巧みであればあるほどチープな雰囲気が漂う。最後に彼の息子みたいなのがパパと一緒に上手に女踊りしていた。とっても可愛い小さな男の子だけにその分ミョーに哀れ。パパに無理やり女踊り仕込まれているのかな〜。な〜んて思ってしまう。物心ついた時この子どうなる、なんてネ。次はロシア人のヌール。いつもどうり踊りは上手い。ウズベクスタイルの手の動き。体も良く動く。悪くないんだけどネ〜。飽きた。次はリーザラジーザ。イラン系イギリス人。全くたいした事無い人、でも愛嬌たっぷり。日本語も少し話せるし、彼女日本で教えたいそうです。最後がカメリア。踊り超元気。タブローも色々。フォークロアも出来る。将来楽しみ。お勧めの一人です。ブッフェのお食事今日もタ〜ップリ。満腹。満腹。

6月29日(水)

 2日続けて夜遅かったので疲れた。朝食フルーツヨーグルトのみ。朝食後、部屋でお洗濯したりこれ書いたりして、の〜んびり。お食事はルームサービス。サラダと豆スープとビール。朝食、食べ放題なので遅く食べると、お昼はお腹が空きません。ホテルの美容室でシャンプー、トリートメント、マニキュア。なんてゴージャス。私のスタジオの代稽古用先生物色。安くて良い先生居ないかな。(最近、カリーマは奴隷商人な〜んて陰口言われてます)衣装屋さんもいろいろ見物。
 7時、うちの皆でモハメッドアリモスクへ「タンヌーラ」を見物に行く。オープンエアのシアターで久々のタンヌーラ。たまには良いよネ。その後、酒井、藤田とホテルに帰る。途中のケンタッキーで3人でお食事。久しぶりのファーストフード(日本では滅多に食べません)メトロスーパーマーケットの場所確認。夜はライトアップされたピラミッド見ながらルームサービスのジントニック。ダブルで2杯。

6月30日(木)

 朝食後、ラィヤに会った。すっごく機嫌悪い。「カリーマ、あの場所に行ったわネ。犬どもと何の話があったの」な〜んて。ナイルグループの事。怖〜い。私の行動をいちいちチクル、スパイがいるらしい。私はどっちの陣営でもありません。うちの生徒がラィヤに習おうがアイーダヌールに習おうが、どこのShowを見ようが、私達の自由でしょう。そこにShowが有るから見に行くので、ピラミッド見に行くのと同じじゃないですか。とにかくラィヤは人を徹底的にコントロールしようとするし、けんかっぱやいので困ります。
 お昼はベルリンのDr. Moとシンガポールのクララベルとホテルのレストランでお食事。チキングリルとモロヘヤスープ、ビール。美味しい。話題はやっぱりナイルグループの事。反乱軍の本当の仕掛け人は誰。赤字補てんのお金はどこから出ている。最初の火種はスェーデン等。やっぱ皆ゴシップ好きですネ。その後衣装屋へ。アミーラのお店で25着、ハナーンのお店で30着。
 お買い物の後、サマーセム、ディアナとコーヒーショップでお喋り。3人で話すのって本当に楽しい。同じ頃にカイロで踊ってた同世代の外人ダンサー同士だった私たち。ツーカーで分かる話がいっぱい。ダンスについてなら世界で一番話しが合うよネ。ナイルグループのゴシップ話から新しいダンサーの事。古くからカイロに居る人の消息とか。今夜は皆でナイトクラブに行く予定だったけど私はパス。音のウルサイの嫌い。もう年かな〜。うちの子達、特に始めての子は強烈な体験で、面白いかもしれないけど、私はチョット飽き飽き。良いダンサーも居ないしネ。それに私は昔ニューヨークやカイロのこんな場所で、実際にダンサーしていたのですヨ! 客じゃなくて従業員! 場所はアゴウザのシェハラザードホテルの最上階。ナイトクラブ「マキシーム」自分の出番が終わると後ろの席に座って毎晩2,3時間Showを眺めていたものです。その時にプロダンサーだけじゃなく、現地の踊り上手な人達の本当に凄い踊りをたくさん見ることが出来ました。だから私の踊りは先生から習っただけの踊りではないのです。他の外人ダンサー達も皆同じです。サハラの先生はファリーダだけど彼女も数え切れないほどナイトクラブ、ディスコに行っています。サマーセムもラィヤの弟子だけど、やっぱりナイトクラブで色々な人を見て自分の踊りを作り上げたと言っていました。
 6時半プール。水泳後1人タクシー飛ばしてザマレークの「Pub28」へ。アラビック音楽から離れて1人のんびり飲めるこの場所大好き。食べ物も美味しいヨ。ザマレークのシャガレットエルドール28番地。まともなタクシー運転手なら知っています。ガルギール(ルッコラ)たっぷりのサラダ、チキンカバブ、ジントニック2杯、赤ワイン2杯。

7月1日(金)

 朝食パス。青汁&サプリ。部屋でのんびりお洗濯。そうめんと味噌汁。また昼から先生探しと衣装購入の日々。NYのジハーンや各国の先生方と情報交換。「カリーマ、私のクラス見に来て」とか、日本で教えてみたい人、たくさん。衣装屋の男「カリーマ、まだうちから何も買ってないぞ」とか、皆は遊びに来ているのでしょうけど、私にとっては自分の部屋を一歩出るとすぐ仕事っていう感じ。今夜の夕食は小山、酒井、大島、高谷と一緒にMena Houseの前のシーフードレストラン「クリストー」で。すずきのグリル2匹、エビ1/2キロ、イカ1/4キロ、アサリ1/4キロ、サラダ色々、魚用ピラフ(茶色に炒めた玉ねぎと一緒に炊いたご飯)ワイン2本で一人1400円位。
 食後部屋に戻ってこれ書いてます。毎晩Menaの宴会場でやってるサマーパーティーは全く興味無し。今プロと呼ばれている人でさえつまらないのに、外人素人の踊りをなんで私がわざわざ見なきゃならないの。テレビ見ながらアラビヤ語のお勉強してたほうが何倍もマシ。随分アラビヤ語の記憶がよみがえって来た。明日から少し話せそう。GOOD!!

7月2日(土)

 ゆっくり起きて朝食。たっぷり寝たのですごーく元気。ファリーダのレッスン見学。その後ファリーダとレストランで「モロッカンクスクス」食べながら、来年のWorkshopについて打ち合わせ。来年の4月1日、2日にほぼ決定。後は買い付けた衣装の支払い、日本に送る段取り、領収書等色々お仕事。
 夕方、レダ舞踊団のアーテフの家へお呼ばれ。実は、去年私がスタジオの代稽古として日本に呼んだ舞踊団の男が、欲に目が眩んだか、色に目が眩んだか、奥さんを捨ててうちの生徒と結婚してしまったのです。私には全く秘密で。今は奥さん捨てて、日本でうちの生徒だった子と教室開いてます。その時のエジプト側での顛末をアーテフに聞きに行きました。ここで詳細を書く気はありませんが、やはり欲に目が眩んだみたいです。奥さんとも親しいので私は本当に困りました。当分エジプト男を呼びたくありません。アーテフの家で、肉と野菜のスープ、サラダ、マカロナ(スパゲティートマトソース)チキングリル、ジャガイモとズキーニのトマトソース煮をご馳走になりました。夜はまたPub28へ、赤ワイン2杯。

7月3日(日)

 朝食後、ム〜の事務所へ。ばんざ〜い。ム〜と2人っきりだ。わ〜い!わ〜い!ベタベタしながらもしっかりお仕事。来年のWorkshopの打ち合わせ。7月29日、30日にほぼ決定。ム〜の事務所でチャイニーズの昼食炒め物3種(牛、鳥、エビ)野菜チャーハン、ぎょうざ、キムチ(ム〜の大好物)春巻き。ム〜のアシスタントと一緒に食べる。
 ホテルに帰って5時半、美容室。8時、Closing Galaスタート。今回のブッフェもそれなりに充実。ただし飲み物のオーダー遅すぎ。途中で部屋に戻って缶ビール持ってきた。Openingの時と比べると人数かなり少ない。
 最初はサイディの歌手。お父さんも大歌手だった人。有名な歌のオンパレード。1人目のダンサーはハナーディ(レバニーズエジプシャン)なんでこんなの出てくるの?ツー感じの奴。スッコメ! 2人目ルーシー。ルーシーは昔良かったヨ。でも今は変にアーティストを気取るからもう駄目。彼女は単なるバラディーです。眉間にしわ寄せて小難しい表情しても、あなたはその器じゃ無いって。ルーシーは20年前、まだ本当にシャーラーモハメッドアリ(芸人街)から世渡りの上手さでのし上がった雰囲気がありました。育ちは悪そうだけれど、踊りが大好き。「体張ってでもこの大好きな踊りでのし上がるんだ」みたいな。本当のバラディー小娘っていうのかな。それが、最近はナグワもスハザキもフィフィーも皆引退したので彼女は自分が“Only big name”と、思ってしまったのです。(ルーシーの方がディーナより先輩)そのあたりから彼女の勘違いが始まったみたいな気がします。皆さんも自分の技量以上のことを気取ってはいけませんヨ。地に足の着かない空っぽな踊りになっちゃいます。
 3人目はRICO。売り出し中の男性シンガー。まあ悪くないけど眠い! 客半分くらい帰っちゃった。人がまばらになった真夜中3時にやっと日本人ダンサー「カスミ」登場。ご招待した日本大使館の方々、商社の方々皆さんお帰りになって残念でしたネ。うちらのグループは頑張って待っていましたが、10分位見ただけで誰ももっと見ていたいと言わず、すべてお部屋へ戻りました。コメントはあえて控えさせて頂きます。

7月4日(月)

 今朝は朝食パス。ブッフェももう飽きた。さすがに昨日遅くて食欲無し。サプリと青汁でOK.。お昼はザマレークのアルファーマーケットでお買い物して、ム〜の事務所で「辛ラーメン」作る。ム〜の大好きな辛ラーメン、毎年作ってあげるの。ザマレークで買って来た野菜MIXとチキンハムを炒めて、半分に切ったゆで卵と一緒にラーメンの上に乗っける。今回は一人ずつ小鍋で作ったので上手くいった。ム〜の事務所の人皆で食べる。皆喜んでくれる。ム〜今夜から1ヶ月アメリカへWorkshopツアーに出る。さようなら、また来年会おうネ。
 ム〜の事務所からハンハリーリの衣装屋へ。衣装20着、スカーフ、シンバル等色々買い付ける。ホテルに帰って泳ぐ。7時、Mena Houseのインド料理屋で小山さんとお食事。ベジタリアンコンビネーション(1人分を2人でシェアして十分な量です)にチキンティカとグリーンサラダ、ビール、赤ワインで1人4000円。エジプトではかなりリッチなディナーでした。その後アゴウザのバルーンシアターでレダ舞踊団の友人と会い、今年の発表会用ガワージの衣装注文。
 11時、サマーセム宅へ。サマーセムはついにエジプト15年間の滞在を終えて明日の朝、スウェーデンに帰ります。ベリーダンサー生活もこれで終わりです。スウェーデンで介護関係の資格を取って仕事を始めるそうです。サマーセムの家でもカレー。ボーイフレンドのサイモン手作りのチキンカレー。湾岸サトウキビの黒砂糖を隠し味に使ってコクを出したこだわりの特製カレー。ほんのり甘酸っぱくとても美味しかったです。サイモンはご飯の炊き方にもこだわりがあるみたいで、カレー用ご飯に最適の水加減についてトクトクと語っていました(多めの水で茹で炊きして途中で水を捨てて蒸らすのだそうで、水を捨てるタイミングが難しいそうです。こうするとソースを良く吸い込むパラパラご飯になるそうです)。ロメインレタスのサラダ、ビール、ディアナの持ってきたシャンパン。またまたゴシップ話。ナイルグループのフェスティバルはやっぱり大赤字だったみたいで、その赤字補てんにどこのお金が動いたか。敵の敵は味方。ナイルグループとラィヤ陣営のダブルスパイに付いて等。ウッソ〜!!!と言いたくなる話がた〜くさん。でもここに裏話書いて「モハメッド・アブシュベッカーがね」とか言っても、これを読んでいる皆さんは誰の事か分からないでしょ。日本人でこんな話が出来る人はいないよネ。残念ですネ。サマーセム、本当に楽しかったヨ。また日本に来てね。いつかカイロでも会いたいネ。お元気で。。。。。。。。

7月5日(火)

 本日Check out。ゆっくり起きて朝食。ゴマさんに4時までお部屋を使って良いと言われたので。万全の日焼け止めをしてプールでくつろぐ。お部屋でそうめん食べる。Check outまでエジプトのお友達皆に電話。ラィヤにも電話で“Thank you”。
 4時、ゴマさんツアーのバスで空港へ。空港リニューアルされて広く綺麗になりました。免税品店でお菓子を試食したり、皆でワイワイ楽しく過ごす。MS964 (6:45)搭乗。またもUp gradeでビジネスへ。ラッキー!日本人ビジネスマンのおじさんと二人っきり。和田アキ子風の、ごつい顔のエジプト人フライトアテンダントのマンツーマンサービスを受ける。でも毛布かけてくれたり、とっても気の付くやさしい人でした。機内食は洋食のチキンと魚。最初にチキン選んだら次は自動的に魚でした。空港の免税品店で買ったワインのミニボトル飲みながら食べる。後は爆睡。

7月6日(水)

 1時、成田到着。スーツケース宅急便で送り、私は成田エクスプレスで渋谷スタジオへ。いきなり仕事の生活に戻りました。
 以上が今年の私のカイロフェスティバルです。今年もますます日本人いっぱ〜い!今年来れなかった皆さん、ぜひ来年は一緒に行きましょうネ。

小松 芳

こまつ かおる
小松芳アラビア舞踊団主催。ニューヨークで最高級のアラビアンレストラン『ザ・ナイル』のオーディションに合格し、ベリーダンサーとしてマンハッタン、ブルックリンで数々のショーに出演。師イブラヒム・ファラより “Karima(カリーマ)”の名を受ける。



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本場エジプトでベリーダンスとアラブ舞踊全般を学び、
正規の就労ビザを取得した小松芳舞踊団のオフィシャルWebサイト © Office KOMATSU and The KARIMA Arabian Dance Company.