小松芳アラビア舞踊団

番外編〜2008年エジプト ラマダン滞在日記

8月27日(水)

昨夜から徹夜。
だってこれから飛行機の中で寝て、カイロ到着後また寝るんだも〜ん。朝9時横浜スタジオで留守中の浜マニュアル作成。10時、東口そごうでお土産品買い足し。税理士さんに帳簿郵送。お仕事総て完!
朝食はコンビニの冷やし中華にトマトのざく切りといり卵のっけ。特製トマト冷やし中華。食べたらYCAT。1時空港到着。チェックイン後バタバタ電話。山形県の両親、スタジオ、電話秘書センター、各アシスタントに注意事項。最後の最後までハイテンションで仕事。お腹すいた〜。飛行機に乗る直前にちらし寿司食べたい! ガツガツ食って15時30分(MS965エジ直行便)、機上の人となりました。乗ったとたんに爆睡、って言うかほとんど気絶。いつ離陸したのかまったく分からないまま空を飛んでた。
目覚めたらお食事。ビジネスクラスなので陶器のお皿。ビーフ? チキン? フィシュ? 中身は違うけど外側はぜ〜んぶ同じピカタ(卵の付け焼き)。取りあえずチキン。免税品店で買ったシーバース1/4瓶。氷もらってオンザロック。1人で乾杯。ほどよく酔ってまた爆睡。

目覚めたらまたお食事。今度は和風。スキヤキにしよう。さすがにもう眠れないヨ〜ン。カイロまで後4時間。シーバースの水割り飲みながら窓の外に人口衛星発見! お星様と同じ位の大きさなんだけど、尻尾のような長っぽそい物がくっきりと見える。わ〜い、わ〜い、と感激しながらしばらく見てました。
11時予定より30分早くカイロ到着。ガイドがお出迎え。「マダム、カイロは始めてですか?」と聞かれたので「100回目です」とアラビア語でお答え。ガイド大うけでホテルまで大アラビア語大会。早速アラビア語脳を活性化させなきゃネ。インターコンチの横のシェファードホテル到着。荷物を解いて爆睡。


8月28日(木)

 9時、自然にお目覚め。あ〜ん幸せ。シャワー浴びて日本から持参の青汁&サプリ。TV見てしばしくつろぐ。
朝は1階のレストランでオープンブッフェ。果物、ヨーグルト、サラダ、白チーズ、オリーブ、スクランブルエッグ、チキンハム、パン、カルカデ、ミルクティー。お部屋に戻ってム〜(Mahmoud Reda)に電話。おじいちゃん元気? あんあんあん。会いたいヨ〜ン。と電話したら「今日は一日中事務所に居るからいつでもおいで」「わ〜い。会いに行くヨ〜ン」でもム〜に会う前にお仕事しなきゃ。

アゴウザに在るサンライズの女社長、西川さんにお会いして荷物の送料お支払い。いつもの信用取引。ありがとうございます。最新のカイロ事情、日本人情報等を、日本女性目線で情報収集出来るのは本当にラッキーな事です。前社長のお兄様亡き後も、数百人のエジプト人スタッフを抱え、エジプトでビジネスなさっているお姿は、本当に素晴らしいといつも心から尊敬しています。
西川さんとの有意義な時間の後はムッムッム〜!!! オフィスはラマダンドラマの撮影で大忙し。怪しいフォークロアダンサードラマ撮影中。ム〜は振付師役で出演。そのまんまジャン。ム〜とハッグ&キス。「あと2〜3時間で撮影終わるからまたおいで」と言う事で、ハンハリーリのマフムードのお店へ。ここでも支払い。本日一日で早くも、数千ドルが・・・ マフムードのお店は大繁盛。息子達も大きくなってお父さんのお手伝い。「アメリカに100箱送った。ガ〜ハッハッハ〜」、「オーストラリアに200箱送った。ガ〜ハッハッハ〜」マフムード笑いが止まらないご様子でした。息子達は20歳と16歳。私が始めてマフムードの最初の小さなお店に行った時、兄のアームルはまだ赤ちゃん。弟のアラ〜は生まれていませんでした。そんな彼らが「ネットで父の仕事をもっともっと大きくするんだ」な〜んて熱く語っちゃって。頼もしくなったねぇ、君たち。マフムードと息子達、しばし語らいまたム〜の事務所へ。ドラマの撮影終了。や〜っと2人っきりだ〜。ばんざーい、ばんざーい。ム〜は78歳なのにまだまだ元気。初日から2人っきりなんて、本当に幸せ。ム〜の車で送ってもらいホテルへ帰る。
シェファードの1階にはアジアンハウスと言う、インド、中華、日本料理のレストランが在ります。インド料理中心だけど中華のメニューも少々あります。日本料理も「エビと野菜の天ぷら、照焼きソース」という、得体の知れない物が一品あります。本日は留学時代に時々食べていた、野菜カレー、チキンティカ、ビール。お味は超マイルド。ギザのメナハウスオベロイのほうが断然美味しいけれど、高くて遠いので、留学時代は良くここへ来ていました。エジプトでインド料理はあんまり一般的では無いのです。
お部屋に戻ってディアナ(フレンチの振付師。アハランワサハランで講師やってる)に電話。「Oh〜カリーマ! 今カイロ? すぐ会いたいわ」でディアナのアパートへ。エジ製スパークリングワインで乾杯。「エジのワインは品質が一定じゃないヨ」とディアナ。まっしょうがないよね〜。ここでも色々お話。ゴシップもた〜くさ〜ん。昔、スエーデン人のサマーセムも一緒に3人で良くお喋りしたね。「これは本当の事を言っているだけで悪口じゃないのよ」とか何とか言いながら、ワイン飲んで良く喋ったよね。ディアナはロシアでワークショップやったらしい。上手いダンサーがゴロゴロいたそうです。あと、衣装も自分達で作り始めていて、さすがに衣装作りの伝統の有る国は素晴らしかったそうです。一通り喋った所で、外のバーへ。ザマレークの Five Bells懐かしいな〜。留学時代時々来てました。お庭付のヨーロッパ風レストラン。ディアナのお友達の男性達と合コン風飲み会。エジプト人の画家とか、ジャーナリストとか、英語ぺらぺらでインテリ風なおじ様達。おつまみのサラダ、イカマリネ、ターメイヤ、グリルレバー、チーズを摘まみながらスコッチの極うす水割りで1時間ほどお付き合い。時差ぼけのため午前12時頃睡魔が襲って来た。皆さんお先に失礼します。ザマレークの中をぶらぶらとメトロスーパーまで歩いてお買い物。ホテルに戻って1時就寝。


8月29日(金)

目覚めたら8時。実は夕べのうちに夏時間から冬時間に変わった。ラマダンが9月1日から始まるので例年より早く冬時間に切り替わったそうです。ラマダン経験するのは17年ぶり。エジ留学1年目はまったく初体験でエジにそのまま居ました。お酒飲めないので殆どのナイトクラブはクローズになります。私はそんな事な〜んにも知らなかったので衣装もって店に行ったら閉まってた。こんな事エジプト人にとってあんまり常識過ぎて、誰も教えてくれなかったのでしょうけど、仕事が丸々1ケ月無い事もこの時初めて知って愕然としました。2年目のラマダンは日本は一時帰国し、マハさんに「ラマダン帰りのスペシャルゲスト・カリーマ小松」だったかな? ショウを開いてもらいました。遠い昔の思い出です。
今朝もまずは目覚めの青汁サプリ。1階で昨日と同じ朝食。お部屋に戻ってベランダでこれ書いてます。正面にインターコンチ、左側にナイル川、ゆったりとくつろいでとても幸せ。昨日はディアナと話しが弾みました。彼女は超華やか好き。セクシーなお洋服で男性に囲まれ、バックグラウンドミュージックのシャンソンを聴きながら「カリーマ、これは男女の情愛を歌っているのよ。なんて官能的な歌詞なの」と言いながら体を揺すっている。いつでも華やかなオーラは発していたい人。私とは全く正反対のタイプたけど、踊りに対する考え方は合うよね。分析がとてもロジカル。サマーセムもディアナも性格は情緒的なのに、踊りに対するコメントは超理論的。私はもともと理系、核物理学専攻。富士通で8年間プログラマーやってた。彼女達は普段は情緒的なのに、踊りに対して超ロジカル。私が今生徒に対して理論的な話が出来るのも、マフムード・レダやファリーダから習った以外に、こうゆう風なお友達と日々議論したからだと思います。
本日は1時にラィアのお宅訪問。ラィアはイタリアとエジのハーフの美しい子に指導中。円形ターンにもっとしっかり顔を付けろと指導。懐かしいな〜。昔私もこんな風にしごかれたっけ。お稽古の後はラィアと一緒にお食事。イタリアンの子も一緒にランチ。ペペロンチーノにスライスしたゴーダチーズをたっぷり乗っけたパスタ、羊の腸にお米とハーブと詰めたソーセージ風ご飯(モンバール)、サラダ。どれも山盛り。昔からラィアは稽古の後こうしてご飯食べさせてくれたっけなあ〜。お食事の後はラィアのアトリエ。ラィアもついに衣装ビジネスに参入。デザインはちょっと目新しいかな。でも、フリンジとかほとんど無いので、超スタイルの良い人向き。取りあえず10着お買い上げ。
次はピラミッドの側のモナの家。ピラミッド通りを一路、若きイケメン運ちゃんの暴走とも言える、無茶苦茶無謀運転で命がけで到着。でもぼらなかったよ。その上カボチャの種もらった。モナはお家でDVD制作中。レダ舞踊団の女の子2人使ってリハーサル、息子が撮影、総て家内製手工業。ここでもお食事、チキンカツ、にんじんと玉葱とグリンピースの炊き込みピラフ、サラダ。いつも激うま。またまたいっぱい食べる。さて、お腹も膨れたので、お散歩しながら帰りましょうか。マリクフェイサル通りを市内に向かって真っ直ぐ歩く。今日は食べ過ぎたので1時間ほど歩いてからタクシーでホテルへ。今日は隣のインターコンチのロビーバーで飲も〜。ジントニック2杯と赤ワイン2杯。この上にはレバノン料理とタイ料理があります。どっちも高いけど美味しいヨ。明日どっちかに行こうかな。


8月30日(土)

本日も9時、さわやかにお目覚め。起きたら青汁&サプリ&お洗濯。2008年のラマダンは9月1日から。その3〜4日前からナイトクラブはクローズになりなす。お酒と踊りはハラーム(悪)だから8月28日(木)が最終日でこれから1ケ月のお休みです。ベリーダンス見たくてエジプトに行く方はラマダンの日程をきちんと確認して下さいね。2009年は多分、8月13日(木)頃からナイトクラブが1ケ月間お休みになるかも知れませんヨ。(ナイル川の観光客専用ボート、Nail Maxim等はやってます。但し出航本数が減ります)10時いつもと同じ朝食。ベランダでアラビア語の勉強。日本に電話して色々と指示、確認。今日はム〜に韓国ラーメン作ってあげる約束したので色々お買い物しなくちゃ。市内のスーパーでキャベツ、パプリカ、ネギ、チキンハム購入。スーパーマーケットはラマダン用のお買い物客でごった返しています。スーパーの前は2重、3重の違法駐車で市内の交通は大渋滞です。
1時ム〜の事務所到着。ム〜とアシスタントのファルー、ム〜のお客のために辛ラーメン4人前作る。キャベツとパプリカとハムでトッピング用の野菜炒め作る。エジプト人は弱火でじっくり炒めたべしゃべしゃの野菜炒めが好きです。強火でシャッキリは生っぽくてだめだそうです。ゆで卵半分に切って、ネギは小口切り、野菜炒め、全部お皿に盛って、各自お好きなものをトッピングして下さ〜い。ム〜はお客に「カリーマの作る日本料理は美味しいですよ」とか言ってる。ム〜、これは日本料理じゃないって何度も言ってるのに。でも皆「美味しい。美味しい」と言って食べてるから、まっいっか。ム〜は今日一日中お仕事。二人っきりになれなくて残念でした。夕方、インターコンチのタイレストラン “Bird Cage” へ。ビーフサラダとパッタイとビール。雰囲気とサービスはGOODなので、日本人客がいっぱい。お味はまあまあでした。お値段高!4000円以上。

9時ハンハリーリのマフムードの店でお買い物、息子のア〜ムルのお相手でスカーフやらスカートやらお買い上げ。マダムヌーサの衣装も20着お買い上げ。ヌーサの衣装は仕事量の割りに安〜い。エジプト人は1着作るのに$50儲かればいいらしい。だって、1ケ月の給料が$100以下だもんね。2着作れば平均月収。お針子の時給は20円位です。田舎だと時給10円も有り得るらしい。10時間こき使ってもたったの100円。これってタダ同然じゃん。今、世界的なベリーダンスブームでも待遇は変わって無いみたい。安いのは嬉しいけど、お針子の待遇が変わって無いのが心痛いです。ベリーダンスの衣装って仕事量の割にとっても安いでしょう。これはお針子が時給20円位で働いているからなんですよ。ちなみにアミーラの衣装と同じレベルの物を日本で作ったら1着80万円位しますよ。日本の工賃は世界でトップクラスに高いから。チャコットの社交ダンス衣装なんか2泊3日のレンタルで7〜8万円するでしょう。レンタルで7〜8万ですよ、レンタルで!! さて、本日の〆はザマレークのマリオットホテルのピアノバー。ロゼワイン2杯。2時就寝。


8月31日(日)

朝食はお部屋で日本そば。持って来た乾麺茹でて、昨日買ったネギ刻んで。ベランダで食べる。わ〜い幸せ。

明日からラマダン。市内は断食明けの食事(フェタール)の買出しで無茶苦茶な混雑。あ〜ん、ホテルでゆったりくつろぎたいな〜。でも1時半ラィアのお宅に行かなくちゃ。早めに出たのに凄―い大渋滞、30分以上遅刻。でも今日時間通りに動くのは無理って皆分かっているから平気、平気。アメリカ人の子と待ち合わせ。ラィアと3人でアトリエへ。ラィア曰く、「今日は歩いた方が早いよ」全くその通りです。先日買った衣装のお直しチェック。お支払い。ラィアがサンドイッチご馳走してくれた。3時半、バスラ通りのアミーラのアトリエ。またまた遅刻。とりあえず20着お買い上げ。その後、例によって人の噂話。楽しいゴシップネタをたくさんゲットォ! ここには世界中のダンサーが集まるから、良いお話がたくさん聞けるわ。ウハウハウハハ。皆、他人のうわさって言いたいよね。でもヨーロッパ人とかアメリカ人とかだと巡り巡って自分の所に回って来そうで怖いわけヨ。その点日本は極東、アジアの外れの端の端だもんネ。日本人って口硬そうだしぃ、国も遠いしぃ、まっ喋ってもいっかぁ。と皆さん気を許してお口を軽くして下さるのでしょうかねえ。ありがたいですねえ。7時ザマレークのPub 28でお食事。ここのミートボール美味しい、超お薦め、こんもり盛ったミートボールに針ねずみの様に一個一個ようじが刺してあるのが可愛いよ、野菜サラダ、赤ワイン。食べて飲んでたらモナから電話。「カリーマ、なんで来ないの? 待ってるよ」「えぇ〜!御呼ばれ、明日じゃなかった?」ぎや〜!一日間違えた。アラビア語で日曜日と1日の言い方が似ているので時々間違える。焦ってタクに飛び乗りハラムのモナの家へ。凄―い。尋常じゃない大渋滞。ハラムまで2時間以上かかった。10時半モナ宅到着。ごめんねモナ、アラビア語、聞き間違えた。モロヘヤ、グリルチキン、ピラフ、クリームスープ、サラダ、豆とズキーニの煮込み。遅れたお詫びも込めて死ぬほど食べる。多分今日の摂取カロリーは4000kcal超えた。エジに来るとほぼ毎日3000kcalは超えていると思うけれど。今日のは格別でした。明日はなるべく食べないようにしょう。またまた渋滞の道をホテルに帰って2時就寝。


9月1日(月)

今日からラマダン。私は断食している訳じゃないけど、昨日の食べ過ぎの反省を込めて、青汁、サプリ、1階のレストランでプレーンヨーグルト。食後、洗濯、ベランダでこれ書いてます。1時アミーラのアトリエでお支払い。またまた情報収集。アミーラは私の話も興味持って聞いてくれる。「カリーマの話は面白いしフェアだ」って。アミーラのように世界中の人に囲まれて仕事している大物に信頼していただいて大変光栄です。とっても嬉しいで〜す。
3時、ム〜の事務所。今日がム〜と最後の日。ア〜ン悲しい。ア〜ンア〜ン。ム〜、体を大切にね。今年ム〜の声が前より小さくなってて、ちょっと心配。ム〜がホテルまで送ってくれた。優しいム〜。大事なム〜。お父さんで先生でハビビ。ホテルでノースリーブから半そでに着替えて、今日はモナの妹のナグワのお家の断食明けの食事にお呼ばれ。着替えたのは「ラマダンの時、袖なしはいけないよ」とム〜に教えて貰ったから。皆さんもラマダンのお呼ばれには肩出し、駄目ですよ。ナグワの家はモナの家から歩いていける距離。親戚一同集まって6時過ぎお祈り。最初はなつめやしのミルク煮。これ大―好き。これだけでも十分甘いのに、皆お砂糖足してる。さすがエジプシャン。例によって、お料理いっぱい。鳥と羊の串焼き、オクラと羊肉のトマト煮、モロヘヤスープ、スープを取った後の牛肉をたっぷりのバターでソテーした物、各種サラダ、パン、ピラフ。断食明けの食事は肉と野菜。夜明け前の食事は豆と乳製品を中心に食べるそうです。ナグワのお家から3大ピラミッドがくっきり。すごーい豪華な眺め。感激、感激。3大ピラミッドはアラビア語で ホフー(クフ王)、ハフラー(カフラ王)、ミンカラー(メンカウラ王)と言います。エジプト人に囲まれて一生懸命聞いて、喋っているからこの4、5日のアラビア語の上達が凄い。食べた後はミントティー飲んで果物と劇甘お菓子。フェタール1食で多分2000kcal以上いった! すごーい満腹。なごり惜しいけど、皆さんお元気で。またいつかお会いしましょう。タクでホテル。明日は7時起床でイスタンブールなので今日は肝休日。


9月2日(火)

7時起床。青汁サプリ。8時、大きなスーツケースはフロント預けでチェックアウト。タクで空港。9時空港チェックイン。マックアラビアのコフタサンド(ハンバーガより好き)とサラダ。


11時離陸。1時間の時差で2時イスタンブール到着。メトロでゼイティンブルヌまで行きトラムバイに乗り換えスルタンアフメッドへ。ほとんど手ぶら状態なので歩いてシデホテル到着。わーい。椎名発見。椎名はうちの生徒でショウメンバーだった子です。今トルコで色々頑張っているらしい。早速隣のフォーシーズンズホテルの高級バーで飲みながら語らう。就労ビザなかなか取れないみたい。海外で働くのが大変なのはあたり前なので頑張ってね。私もエジプトで就労ビザ1年がかりでした。私より断然上手いダンサーが、結局ビザ取れなくて国に帰る人の何人も見ました。本当、これは「運」です。しかもトルコって物価高いよね。スーパーでお米2kg800円。日本のドンキと変わらない! エジだったらキロ100円以下。物価高い。生活大変。椎名哀れ。ディナーはガラタ橋の下のたくさん並んだシーフードレストラン。まず色々なメゼ、青菜のヨーグルト合え、これ大〜好き。お魚のグリル、劇美味イカフリッター、エビのバター炒め、サラダ、ワイン飲んで景色見て、幸せ。

8時半、ネスリン・トプカプ宅へ。イスタンブールの高級住宅街に住むネスリンはセレブなおば様風の方でした。お話は楽しかったです。椎名とスルタンアフメッドへ。当然トルコも今はラマダン中。スルタンアフメッドでは色々な夜店がいっぱーい。夜店ブラブラ楽しいな〜。試食も出来るよ〜。茶店でトルココーヒーを飲みながら椎名と再びトルコ事情を語らう。ホテルに帰って2時就寝。


9月3日(水)

10時にゆっくりとお目覚め。眺めの良いテラスで椎名と朝食。ゆで卵、サラダ、黒オリーブ、チーズ、ジャム、パン、ミルクティー。11時トラムバイでタクスィムへ。シムモダで衣装10着お買い上げ。シムの衣装重―い。デザインは面白い物が多いけど。ちょっと重すぎかな、とか思ってしまう。
お昼はロカンタで。カフェテリア方式なので食べてみたい物を色々選べて嬉しい。椎名と二人で食べ切れないほどトレイに盛る。メゼ、スープ、サラダ、ドルマ、煮込み、キャセロール、パスタ、ピラフ、ランチで2000kcalいった! でもみんな美味しいヨ〜ン。
満腹でシシリのベラのお店へ。いつもベラのお店に行く時って、タクスィムのロカンタで食べまくって満腹の太鼓腹状態なのです。ベラにはカリーマは大変な大デブと思われているんだろうな〜。普段はもう少し細いですよ。販売用衣装20着お買い上げ。今日はショウを見にキャラバンサライへ。トルコのベリーダンス超ショボ。エジプトと大違い。今度こそ何かあるかなと思って見てるけど。バンドしょぼい。ダンサーしょぼい。飯までしょぼい。トルコ料理って凄―く美味しいのにぃ、なんでナイトクラブの飯はこうも不味いの! チーズでさえ不味い! 客なめとんのかぁっ! そんな訳で取り合えずお外でお食事。ナイトクラブのご飯食べたくないもんね。昼がガッツリだったので夜は軽くチーズとサラミのピデ、ラフマージュンと言うサラダを巻いて食べるクレープみたいなの。2人で分けて少しずつ食べる。美味しーい。本当、ナイトクラブ以外は美味しい物だらけ。

食後ゆったりと着席。ワイン2杯とフルーツで35ユーロ。ダンサーはいつものように名前も紹介されず1人1人タラタラ登場。音楽もほとんどCD。バンドはたったの3人。わたしだって昔は10人編成のバンドで踊っていたよ。ダンサーが出てくる時はエジプトでも、ニューヨークでも、 “Ladies & Gentleman. Our lovely dancer Karima” みたいな紹介のアナウンスは必ず入ります。タラタラ歩いて出て来て引っ込みの曲もなくスタスタと去る。これうちのスタジオのオーディションだったら全員完全に落ちてるよ。アセナも相変わらず変! ほとんどスッピンに見えるメイク。機械の様にガシガシアイソレーション。その上アイソレーションに気を取られすぎてって言うか、腹筋に力が入いりすぎて背中が丸まっているよ。体をコントロールしようとするあまり腕も緊張している。アイソレーションてゆったりとした踊りの中に効果的に入れると凄く素敵なのに、20分もやるからボロが出るんだよ。その間客を無表情に睨み付けるだけ。構成も約20分間ベアタ&オラシオのドラムソロ3曲を意味不明に並べただけ。タラタラ歩いて出て来て突然ドラムソロ+ドラムソロ+ドラムソロ。いくら得意だからってね〜。突然曲が終わってバシッと頭さげてポーズ。その後ヒョコっと頭上げてスタコラ歩いて去ってった。いつもいつもなんでこの人がトップダンサーなんだろうと思ってしまいます。アセナが良いって言う人は、多分「体が動いていれば踊りだ」って思っているんだろうな〜。確かにいかにもベリーダンス初めて見る感じの日本人観光客の皆様方は、「凄い」と言う感嘆の声を発して盛んに感激していらっしゃいましたが。踊り知ってる人間はちゃんとショウ全体を見ましょう。今度こそ少しはまともな物が見れるかな〜。という淡い期待をかけてみるのですが、残念ながらいつも裏切るトルコのダンサー達。最近は日本人もカイロフェス等で本物のエジプシャンダンサーを見ているので分かる人が多くなりましたが、エジでベリーダンサーはスターです。こんな私でも10人編成のバンド従えていました。ショウの始まりもたっぷりのオーバーチャー(前奏)があってダンサー名のコール。ダンサーは名前のコールの後、もったいぶってゆったりと登場します。出て来るのあんまり焦らすと「あなたの月のように輝く美しいお姿が早くみたい」の様なアナウンス(当然アラビヤ語)で催促される事もあります。約1時間位は踊り続けます。お客は主にアラビヤ半島のアラブ人達。総てステージ上の私以上に踊りの分かるコテコテの現地人。トルコみたいに踊りが全く分からない日本人や欧米人観光客がほとんどなんてありえません。キャバレーの場合はお客とのかけ合いも重要なお仕事。客席にアラブのお金持ち、芸能人がいれば必ず見つけて他のお客に紹介します。私は当然そんな事出来ないので歌手が変わりにやってくれましたが、本来はダンサーの仕事です。エジプトでダンサーは一座を率いる女座長です。楽団員も歌手とマネージャーも総てダンサーが雇う。トルコではスターダンサーって言っても、ナイトクラブに雇われてるその他大勢のダンサーと全然変わらないジャン。若い間だけの単なる踊り子。エジのダンサーは単に体が動くだけじゃ務まらないよ。カイロでもソラヤやアスマハーンは外国人だから踊りだけだけど、ディーナやルーシーは映画の出演回数も凄い。テレビのバラエティー番組にも出てるし。踊りだけじゃなく芝居も出来るファンナーナ(Artist)がエジプトのベリーダンサーなの。身体能力の高い美形だったら、誰でもトルコ人の様な踊り子になれるかもしれないよ。でもルーシー、ディーナ、ランダの様なエジプトのスターダンサーは外国人の手がまったく届かない別世界のビッグスターなんです。


9月4日(木)

10時起床。夕べ椎名と別れて今日は一人朝食。毎日青空。テラスでのお食事心地よい。今日は観光客。カイロへ帰る前に久しぶりにグランドバザール行こ〜っと。メトロの線路沿いをテクテク歩くと15分位で着いちゃう。色々なお店をぶらぶら冷やかし。12時タクで空港へ。トルコバイバイ。3時カイロへ向けて離陸。4時半到着。5時半またまたシェファードホテル到着。ちょっと疲れた。1時間仮眠。
7時、1階のレストランでフェタール(Breakfast:断食明けの食事)ヌードル入りチキンスープ、野菜のキャセロール、グリルチキン、アプリコットジュース、ピラフ。断食してなくても食べてOK。

8時ハンハリーリ。最後のお買い物。マハムードと息子達、さようなら。ハンハリーリのフセインモスク周辺はラマダン中賑わってるヨ。私は混雑嫌いだからまっすぐホテルに帰ります。ホテルではテレビ見ながら事務仕事。領収書まとめたり、経理やってこれ書いて、荷造りして。ラマダン中は家族が集まってフェタールを食べるので、テレビ番組楽しいよ。
午前3時スフォール(Last meal:日の出前の食事)食べに再び1階のレストランへ。「スフォールくださ〜い」って言ったら、マネージャーに「あなたは断食してますか?」と厳しい顔で聞かれた。え〜フェタールはあっさり出してくれたのに。思わず「イッイエス」と嘘ついてしまった。フェタールは肉と野菜が中心の献立だけど、スフォールは豆と乳製品、果物が中心。肉は食べないらしい。フール(乾燥空豆の煮物)ヨーグルト、チーズ、果物、コナファ等の甘いお菓子。総て食べ放題。4時就寝。

9月5日(金)

10時起床。朝ベランダで朝日を浴びてお仕事。経営者はいつでもお仕事。でもあたし仕事好きじゃないよ。「働きたくないな〜 怠けたいな〜」といつも思ってま〜す。エジ&トルコにカイロフェス以外の時期に来たのは久しぶり。もうフェスいや〜。混みすぎ。飽きた。静かな時にのんびり来たい。ラマダンの中はハンハリーリのマハムードの店もガラガラだぞ!! お部屋でグァバ味のヨーグルト食べる。午前3時に食べたのでお腹空かない。ザマレークのスーパーまでお出かけ。白チーズ6個買った。これ私にお土産。エジのチーズ、トマトに合う。冷凍して大事に使うもんね。やっぱりお腹空いてきた。インターコンチのレバノン料理でランチ、と思ったら当然ランチお休み。中東料理はラマダン中ランチお休みです。またしても隣のタイ料理。アジア料理はラマダン中もやってるよ。BENTOUっていうのが楽しい。8週類の中から4つ選ぶ。松花堂弁当みたい。レッドカレー、野菜チャーハン、生春巻き、魚とヌードルのスープ選んだ。デザートは果物とアイスの盛り合わせ。アミューズのクリスピーサラダとミネラルウオーターで3200円くらい。

エジでは超セレブランチ。ラマダン中なので客は日本人とヨーロッパ人。アラブ人はたとえラマダンしない人(キリスト教徒とか)でも人前では食べないそうです。2時半タクで空港へ。ム〜に電話。ム〜楽しかったよ。愛してるよ。また来年ね。空港のカフェでキャロットケーキ。 飛行機はビジネスなのでCheck inもゆったり。MS964(17:45)。1回目のお食事、チキンのトマト煮込み、ベークドポテト、デーツ(なつめやし)。持ち込みの赤ワインでちょっと酔ってうとうと。


9月6日(土)

目覚めて2回目のお食事は朝ごはん。オムレツとビーフソーセージ。13時、成田到着。お疲れ様でした。しかし、なっなっなんと本日5時半の横浜クラス、私が教える予定なのだ!! え〜ん仕事嫌いなはずなのに。なんて無謀なスケジュール立てるんでしょうね、ったく!! ダッシュで現実の世に引き戻されました。

以上、2008年のエジプト&トルコ旅行記でした。ラマダン久しぶり。皆さんは当然ご存知だと思いますがイスラムの断食月の事です。イスラム教徒の人々はこの期間太陽が出ている最中はお食事はおろか水も飲めません。太陽が沈むと同時に家族が集まってフェタール(Breakfast:断食明けの食事)を取ります。その後テレビ見たり、街に出たりして楽しく過ごします。そして仮眠を取り明け方にスフォール(Last meal:日の出前の食事)を食べてまた寝ます。なんだか生活のリズムが狂って体に悪そうですが、イスラム教徒は皆「体に良い」とか「空腹を感じる事により貧しい人の気持ちが分かる」といいます。貧しい人、は理解出来るけど、体に良いは信じられな〜い。実際ラマダン中に太る人は多いらしいですけどね。まあそれでも皆さんアラブ文化の理解の為、一度位はラマダン体験してみるのはいかがですか。野外のステージで地元歌手のショウなんかもやってますよ。但しナイトクラブは軒並みクローズになるのでベリーダンス見たい人は避けましょう。デザイナーのアトリエ(アミーラとか)もお休みになる所があります。

小松 芳

こまつ かおる
小松芳アラビア舞踊団主催。ニューヨークで最高級のアラビアンレストラン『ザ・ナイル』のオーディションに合格し、ベリーダンサーとしてマンハッタン、ブルックリンで数々のショーに出演。師イブラヒム・ファラより “Karima(カリーマ)”の名を受ける。



小松舞踊団からワークショップなどのご案内を、メールでお届けします。

本場エジプトでベリーダンスとアラブ舞踊全般を学び、
正規の就労ビザを取得した小松芳舞踊団のオフィシャルWebサイト © Office KOMATSU and The KARIMA Arabian Dance Company.